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October 14, 2004

成長の証@WC1次予選 vsオマーン

ほんとに素晴らしい選手達の集中力、意識の高さ、粘り、今までの経験が生きた良いゲームでした。確かにまだまだ修正する点はあったけど、確実に選手達は成長し、逞しくそして自立した真の一人前になった感を受けました。この成長がこの結果を引き寄せた事になったのではないでしょうか?

今日のスタメンはGK川口能活、DF中澤佑二、宮本恒靖、田中誠、MFボランチに小野伸二、福西崇史、左・アレックス、右・加地亮、トップ下・中村俊輔、FW高原直泰、鈴木隆行。オマーンは3−1−4−2のような形で二人のOMFがポジションを変えながら来る形。会場はマスカット・スルタン・カブース・スポーツコンプレックス。

序盤からオマーンは日本を押し込んでサイドから起点を作って細かく繋ぎながらランニングを絡めてクロスを狙いながら、CDFとボランチを引き出して空くバイタルエリアからミドルを狙ったりと非常に圧力を掛けてくる。日本はそれに非常に苦しみ、かなり押し込まれてラインをどうしても下げてしまうため前線と間延びしてしまい、なかなか取りどころがなくサイドに展開されるとよりすぎてスペースを開けてしまったりとボランチのバランスが非常に悪く、また相手が人数を掛けてくるため、どうしても中盤での対応が後手を踏んでしまっていました。その中で日本は左サイドから上げられたクロスからのこぼれ球からミドルを狙われたり、大外の選手が田中マコのマークを振り切り合わせるなど決定的なピンチを迎えたりと非常に不安な立ち上がりとなってしまう。徐々に落ち着きは取り戻すものの、なかなか攻撃の糸口を見つけ出せずオマーンのポゼッションに非常に苦しみ、相手が空いたところをどんどんスピードに乗って仕掛けてくる攻撃に苦しむものの、ようやくボールを落ち着かせる事が出来ると、動き出しの早い高原と守備とポストに奮闘し続ける鈴木が何とか前線で起点を取り始めて、中盤でもボールが回り始めると小野から高原へのリンクしたスルーパスからの突破や、サイドで加地が非常に守備をしながらも行き所でアグレッシブに相手の裏を取って右サイドを突いたりとイイ流れを持ってくる。その中で相手のビルドアップのミスから高原が拾うと鈴木も走っていたいたものの中に仕掛けて強烈なシュートを撃ってリズムが出始める。その後も縦のくさびを俊輔のヒールでそれにリンクした高原のランニングからシュートになりそうだったりと、高原の動きにキレが攻撃の中心となっていました。その中でオマーンの攻撃にも何とか凌ぎきって、前半はスコアレスで終わる。

後半は、前半最後の良いリズムを継続して、押し込まれる事もあったものの良くボールが動き、ボールを持てる俊輔・シンジを中心に人も良く動く形が出来てくる。そして早いリスタートからシンジが良い動き出しで相手を振りきった俊輔に出して、ペナ左手前でボールを受けるとスライドするように縦に切れ込み、ストップフェイクで相手の対応が遅れたところを早いタイミングでセンタリング、ニアの高原を超えて、ファーに走り込んだ鈴木が相手の上を覆い被さるように迫力のあるヘッドを叩き付け、これがGKアリハブシの逆を突いてファーに決まって、欲しかった先制点を素晴らしい形で手に入れました。その後も良いリズムが続いて、ようやくアレックスも高い位置を取れるようになったりとボールが良く回ったのですが(福西と高原のパス交換から福西の突破のこぼれ球をボレーもアリハブシ片手一本!)、エアポケットが出来てしまう。オマーンがDFラインから大きなボールを入れられると、オマーンFWと競り合っていた宮本と出てきた川口がかぶってしまい、それを拾ったイマド・アリがダイレクトでがら空きのゴールに狙うが、危機を察知したマコがゴールライン上で胸でスーパーカバー!最大のピンチを逃れるとこの後チームは一気に冷静さを取り戻してリズムを整えた事で一気に落ち着く。この後、追いつかなければならないオマーンが交代を交えてどんどん来るものの、そのクロスボールをことごとく中澤がはね返し、相手にチャンスを与えない。もちろんきっちりとプレッシングで楽にはやらせなかった事も大きかった。そして俊輔の成長したところを見せたのはここで起点となり続け、ミスなく(一本あったけど)苦しい状態での繋ぎの役目を果たして守備だけの苦しい状態を作らなかった事も非常に大きかった。ジーコがジャッジに対して興奮しすぎて通訳が退場になったりしてスタジアム全体が異様な雰囲気に包まれたりしたが、ここまで培ってきたメンタリティで動じる事もなく、チームできっちりと共通意識を持って時計を推し進め、ロスタイム4分をやり過ごして1-0。求められた結果を非常にクールに、クレバーに出してくれました。

スコアとしては2月に埼玉でやった時、そして7月に重慶でやった時と同じように1−0と言うスコアでしたが、もう今までとは雲泥の出来でチームが恐ろしい程落ち着きでこの結果を導き出してくれました(オマーンの出来が余り良くなかったというか、今まであった攻撃におけるダイナミズムが個人の仕掛けだけになっていた感もあって、そうなるときっちりと守る事が出来る3バック&4枚のMFで構成された守備ブロックを崩す形を余り作られなかった事が大きかったと思います)心配されたコンディションも悪くなく、チーム全体が時間と流れを良く理解して、やるべき事をチームでやってくれたと思います。

もちろんまだまだ修正しなければならない部分は沢山あります。細かいプレーでの単純なパスミスやトラップミス、ランニングの方向、アウトサイドでの良いランニングを使わなかったりして攻撃の流れが生まれなかったり(と言うより基本的に遅攻になりがち)、やっぱり課題のプレッシングの中での奪い所が不明確でどうしてもラインを下げて守る形になってしまう事(チームコンセプトの問題もあるけど)後はゾーンで守ってる訳ではないので、中盤でのマーキングがズレズレになりがちでフリーマンが出来たり、バイタルがぽっかり空いたりとその辺のバランス、危険なシーンでアプローチが見合ってしまうなど沢山ありましたが、これからそれを修正していく必要はあります。ちょっと愚痴っぽいですね。

でもそれを除いても今日はチームが結果を出すためにきっちりと仕事をした事は事実です。内容よりも結果を求めた確実なプレーと失点しないためのきっちりとしたカバーリング、そして繋ぎの部分での選手個々の技術・判断・動きなどが非常に高いレベルで行われていた事が非常に大きかったです。繋ぎの部分では前線での空中戦などできっちりと競り合って楽にクリアなどに繋げさせず、何とか攻撃に繋げていった高原と鈴木の素晴らしい体を張った仕事と動く範囲が非常に拾いながらもポイントポイントで繋ぐ事をした中村俊輔と3人が前で仕事をしてくれた事が大きかったです。今までは個々で起点を作らせてもらえなかったため、前半序盤の押し込まれっぱなしの苦しい展開&前線との距離が間延びしてフォローに入れない事になっていたのでしょうが、今日は上がってくる時間をこの3人が作って、ボランチが絡めるようになった事は大きかった。だからこそ、攻撃がある程度先まで繋がり、守りっぱなしにならなかったと思います。そしてDFでは確かにライン設定が非常に低く、だからこその間延びであり、中盤でボールを奪うまでには至らない部分があるのですが、最終ラインのアタック・カバー・クリアなどの意識が非常に高く、個人レベルでもきっちりと対応し続ける事が出来ている事はやはり大きいです。これがアウェイでも出来ている(ヨーロッパのね)事を考えたら、こういう守り方が良い悪いは別にして十分やれるのではないでしょうか。多少はミスが気になったりもしましたが、許容範囲です。

こういう試合が出来たというのは選手個々が今までの苦しい経験がきっちりと身に染みついており、それをチームにフィードバック出来ていてそれが共通認識として出来ているからこそ、これだけ一体感のある試合が出来ていたのではないでしょうか。これからはその一体感と共通認識を内容に反映させていく作業ともちろん全然足りないバックアップや新戦力の登用などに最終予選までの期間をうまく使って欲しいです。とにかくジーコ云々は置いておいて選手達は確実にたくましく成長している。代表だけの成果ではないですが、経験をきっちりとプレーに反映出来るシビアでサッカーの難しさを理解した一人前の選手に育ってきたのではないでしょうか。競争意識のないチームですから、これから先の部分となる難しいかも知れませんが、希望は残ったのは事実です。とにかく良かった・・・・・・。

後は個人評。せっかくなので(と言うかもうここまで長くなってしまったので)全員やります。

GK 23 川口能活→大きなミスはコーチングなり何なりして下さい。経験溢れる選手なので大丈夫だと思うけど。序盤の苦しい時間帯を安定したセーブで守ったのはさすが。

DF 2 田中誠→下手したら最悪のミスになりそうだったところでのファールは安易だけど、何よりもスーパーカバー。ビルドアップを助けるオーバーラップは意思疎通が取れていたみたいで(福西と)イイ出来。

DF 5 宮本恒靖→ビルドアップで調子に乗った事をしない事。後はアプローチの躊躇が気になる。行かせるならカバー、行くなる行くでもっと高い意識を。ただ相変わらずのキャプテンとしての集中力とカバーリングは安定していました。後は徐々にライン設定を上げていきたいところ(監督のコンセプトもあるけど)

DF 22 中澤佑二→素晴らしい出来。危険なシーンでのカバー、1vs1でも負けない、釣り出されたかなぁと言うところでの判断、そして空中戦。日本最高の称号与えたいぐらいでした(すでにって話ですけど)

MF 15 福西崇史→ようやく自分の役割をわかってくれたようで嬉しいです。最初は前に行きたくてしょうがなかったみたいだけどシンジを押し上げる仕事は良い仕事。タイミングの良いアプローチとこぼれ球のカバーも良かった。序盤は堅くてミスが続いてどうなるかと思ったけど、チームのタスクをきっちりとこなした。後はシンジとのバランスをもっと高めないとこれからはやられる可能性もあると言う事も一応ね。ヤクザプレーも少し出したね(笑)

MF 18 小野伸二→今日はまあ普通の出来。細かいプレーでのミスはあったものの俊輔・福西との関係は良くなっている。後は守備面での福西とのバランス(これはほんとに要課題)と天才と軽率の紙一重の軽いプレーは見ていて怖いから気を付けて。高原との呼吸はやはり可能性を感じさせる。

MF 21 加地亮→今日は良かった!オリジナルポジションが低かった事もあってかクラブの時のような思い切った飛び出しやコースを柔軟に変えるランニングなど攻撃面でも光った。カバーも良くやれていたし、後は繋ぎかな?今日をスタンダードにすれば批判は封じる事が出来ると思うけど。セットの時のナイスカバーは素晴らしい。

MF 14 アレックス→まあまあ、加地に比べるとと言う感じもあります。ただ、今日は守備の意識が非常に高く、チームの事を考えたらよく頑張った。通訳お疲れ。クロスがもう少しあげれると良かったけど、こういう試合だしね。後はファールをしない1vs1の対応方法。

MF 10 中村俊輔→今日の出来は一番。繋ぎ・DF貢献・アシストも含めて素晴らしかった。今シーズン続けているフリーランニングとボールを離した後も止まらずにランニングするなど、進化の後がもの凄い見えた。足元の技術とパスセンスはこのチームの大きな助けとなっていたし、このまま進化を続ければ今シーズンは良いシーズンになりそう。このチームの軸となり始めている。贔屓じゃないよ!

FW 11 鈴木隆行→やっぱり今シーズンの良さであるポストで終わらないプレーが今日も見えて、ゴールという結果を導き出したのは素晴らしかった。守備貢献もチームを相変わらず助かります。ポストが最初は収まらなかったものの後になって高原戸の距離関係が非常に密接な関係を取れていて良く前線でタメを作ったと思います。向かっていく姿勢も戻ってきて、真の(飢えた感じの)鈴木隆行になってきた気がする。それにしてもビッグマッチに強い!

FW 20 高原直泰→僕が悪かった(涙)コンディションが非常に良くキレていて、何度も決定的なシーンを生み出した。競り合いにもよく働き、鈴木と同じで良い距離感で仕事をしたと思います。ゴールが取れなかったのは痛いが、フリーランニングといい、こっちもロナウド化した高原が戻ってきている気がする。後は結果。

誉めたり、厳しい事を言ったりしてますが、それはまだ道半ばだからです。本当の戦いはこれからだからこそ、これに満足することなく、個人としてのクオリティ、チームとしてのクオリティ、両方を高めて、厳しい戦いを勝ち抜いて欲しい。もう一度言いますが、まだ道半ばに変わりはないのですから。

と言う事でだいぶ長くなってしまいましたが、スペシャルです。個人的にはベターな結果とベターな試合を誉めて上げたいと思います。と言う事でホントに良かったと同時に非常に緊張して見ていたので疲れました・・・・。でも今日はよく寝れそうです。と言う事で今日はここまで!

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