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August 29, 2004

輝かしい未来@AthensOlympic2004 アルゼンチンーパラグアイ

結局無失点で切り抜けてしまいました。本当に強い、そうとしか言いようがないチームです。まあほとんどA代表みたいなもんだから、これをまだ未熟(と言っていいかわからないけど)な他のU23世代のチームと並べてしまうと際だって見えるのは当然かも知れないと思わせるぐらいホントにしたたかでうまくて頭のいいチームでした。

さて、スタメンはアルゼンチンがGKルクス、DFコロコロさん、アジャラ、エインセ、DF底にマスチェラーノ、左にキリ、右にルイス・ゴンザレス、トップ下にダレッサンドロ、フロントラインは左にデルガド、右にロサレス、中にテベス。
パラグアイはGKにD・バレット、DFに右からマルチネス、マンスール、ガマーラ、エスキベル(トーレス?)MF(3ボランチ気味のダイヤモンド?)Eバレット、エンシーソ、トーレス、トップ下にフィゲレード、FWにヒメネスとバレイロ。

序盤はプレス合戦でしたが、激しく行ったのはパラグアイ。FWラインからガンガンプレスを掛け、中途半端な縦パスや横パスをインターセプトして速攻を仕掛けるという感じでアルゼンチンにペースを握らせない。ラインコントロールも危ない場面もあったけど、何とか網に掛けていく。しかし、時間が経って、パラグアイのプレスが少し弱めるとアルゼンチンのアタッキングフットボールが戻り、中盤でボールが回り出し、どんどんサイドに展開していく。特にパラグアイの右サイドを徹底的に突き(マルチネスの上がった後のスペースを突いたり、ポジショニングが中に絞りすぎてスペースが空いたりして)どんどんデルガド、流れたテベスが使って仕掛けていく。もちろんサイドだけでなく、ダレッサンドロの高い技術力を活かした中からの崩しもありかなり際どいチャンスを作る。そんな中、パラグアイのアタッキングゾーンでの横パスをインターセプトしたコロコロさんがカウンターの形でスペースをドリブルで突き進み左に展開するとロサレスが低い弾道のクロスを入れ、マンスールとGKの虚を突いてスピードアップしたテベスがGKの前でクロスに合わせて、やってはいけない先制点を献上してしまう。その後もアルゼンチンはパラグアイの激しいプレスに苦しみながらも高い技術力を活かして、攻撃を仕掛ける感じ。パラグアイもアルゼンチンの早くて積極的なプレスに苦しみ、こちらはなかなかパスコースがなかなか見つけられず流れの中でチャンスが出来ず(カウンターぐらい?遅攻は厳しい)、セットプレーでルクスの近くを狙う(ファー狙い)ボールぐらいでしかチャンスが出来ない。そんな感じで前半終了。

後半も両チーム積極的なプレスを繰り出しながら、激しい攻防を繰り広げるものの、技術力で上回るアルゼンチンは流れの中から沢山のチャンスを生み出し、パラグアイははげ新展開で多くなったファウルを活かしたセットプレーで同点ゴールを狙うものの両チームゴールが生まれない。しかし少しずつパラグアイがペースを引き込むとフィゲレードの高いキープ力を活かして攻撃を作り始め(アルゼンチンの攻守の切り替えが遅くなった事もあるが)ワンツーやポストからの突破を狙って惜しいチャンスも作り始める。しかし、相当やられまくっていたパラグアイの右サイドバックマルチネスがアフター(それも何とも言えないけど)でダレッサンドロにひじうちをしてしまって一発レッド。イイ流れを壊してしまい、またアルゼンチンにペースが行ってしまう。修正に苦労しながらも、何とかアルゼンチンの追加点を許さなかったパラグアイは(アルゼンチンのシュートが入らない入らない)完全に間延びしはじめたアルゼンチンに対して、もう一度攻勢を仕掛ける。しかし、また今度はチャンスのセットプレーの中でフィゲレードが偽神の手を発動してしまい、二枚目のイエローで退場。これでほとんどゲームが終わってしまった。その後何とかしようとしたものの、2人のビハインドをはね返す事は出来ず、アルゼンチンがうまく時間を使ってタイムアップ。ほぼ完璧な形で初のオリンピック制覇を成し遂げました。

えーと細かいプレーで気になったのはまずゴールシーン。コロコロさんの突破から、サイドに展開、そこまではイイとしてマンスールにマークされていたはずのテベスがスピードアップしてマークをかわしたと書きましたが、あれはマンスールのミスでもあり、GKのミスでもあるのかなぁと。マンスールはクロスが入ってきた時点でコースを切って走らせないようにしなければならなかったし、GKはあの弾道の時点でボールを待たずに前に出て対処するべきだったと思います。まあその隙をついて決めたテベスを誉めるべきゴールなんですが、細かい部分が勝負を分けてしまったという事です。アルゼンチンにもプレッシングが誘発するパスミスが結構出ていたし、そう考えると失点に繋げない様に対処できたということが大きな差となった部分だったかも知れません。日本にしても直接失点に結びつくミスが多かったし、そういう部分で大きな差を感じました。

今日の試合は南米らしい激しいボディコンタクトの多い試合で際どいプレーの多いパラグアイに沢山のカードが出てしまいました。まあそれはいいとして、前線からの強烈なプレスの中に両チームとも狙いがよく見えた試合でした。アルゼンチンはボールを取って速くゴールへという狙いはもちろん遅らせてきっちりと陣形を整える時間を作るという意味で安定した戦いをすると言う事が今日の試合でもスタミナが続くまではきっちりと出来ていました。逆にパラグアイはアルゼンチン対策として強烈にプレスを掛ける事で(速攻はもちろんあります、日本戦でもやっていたように彼らのスタイルという部分もありますし)相手にビルドアップの余裕を与えず、無作為なロングボールを入れさせる事で相手の変幻自在の攻撃を機能させないようにしたかったのかなぁと。アルゼンチンのフロントラインは高いテクニックやスピードなど非常に高いものを持っていますが、空中戦に置いてはパラグアイに分があると言う事でそういうボールを出させて、相手にやらせないようにしたかったのかなぁと。個人的には結構機能してた様に見えたし、その狙いは攻の側面でも守の側面でも非常に理にかなった形でアルゼンチンに勝つ作戦だったと思います。しかし、自分たちの技術とやり方に自信とプライドを持っていたアルゼンチンは、ロングフィードを多用することなく、繋いでダレッサンドロを中心に巧みなトラップでボールを落ち着かせていつものように流れる展開に持っていったりと「ボールを落ち着かせていつもの攻撃をする」というタスクを全うしていました。パラグアイにしてみたらボールを落ち着かせてしまうと技術力で劣る自分たちが負けると思って早めに行ってましたがそれでもやられてしまうのだからしょうがない・・・・・。

まあそれだけこのチームはほぼ完璧に出来てしまうだけの力があったと言う事です。決してアルゼンチンの出来はいいものとは言えませんでした(特に決定力に置いて)ただそれでも勝ちきるだけの強さを持っていたというのが全てなのかも知れません。パラグアイのやった事はアルゼンチンに勝つというタスクの選択は決して間違っていない事を考えるとやはり先制点は痛かったかなぁと。ただそのタスクを時間と共に打ち破ってチャンスを山のように作るアルゼンチンはやはりこの大会では抜けていたし、このチームを見れてよかったなぁと。ビエルサが長い時間を紡いで作り出したチームは、これからの日本に一個の大きなモデルケースとなり得る完成された素晴らしいチームでした。アルゼンチンの人たちが何度も失敗を犯したビエルサのチームをフォローし続けた理由もようやくわかったような気がします(後任が居なかったとか言う部分もあるでしょうが、ビアンチが受けてくれないとか)これだけ若いチームにこれだけ成熟した形を見せつけられるとこの先どのようになってしまうのかと末恐ろしくなりますし、この先どのようになっていくのか非常に気になります。ここにいないフル代表の選手もいますし、合流してどのような形を見せてくれるのか楽しみです。個人的にはこのチームにはこの先輝かしい未来がまっているような気がしてならないです。

初優勝おめでとうということで今日はここまでです。

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